マーケティングが得意なフレンズになるための
「けものフレンズ」分析レポート
2017年1月クールでのアニメでもっとも反響が大きく話題になった「けものフレンズ」
誰もが想定していなかった中で何故ここまで人気が出たのか。
そこには次世代マーケティングで重要な
「共創」「コミュニティ化」「キャラクターの構築」が調和していた。
本レポートでは反響を得るまでの経緯とその要因について調査した内容を記載。
まず、同時期に放送されたアニメ作品と比べてみると、放送前の反響は少なかったことが読み取れる。
しかし1/10放送開始から徐々に反響を生み2月以降は他作品と圧倒的な差をつけていることが分かる。
次に初回放送日から3話放送後までのポジネガを見てみると
放送開始直後はネガが多く批判Tweetが目立ったが、回を重ねるごとに評価が覆っていく。
2016年10月からアニメ放送終了までのTweet推移を見ると全体の傾向として
アプリが終了した2016年末までは、けものフレンズ好きのコアなファンTweetのみで
それ程大きな反響は見られないがTV放送開始の2017年から急激にTweet数が伸びている。
特に4話放送後(2月1日)から5話放送前(2月8日)の間の週では約15倍のTweet数に跳ね上がる。
2月6日にTweetが急激に伸びたことによりWebニュース掲載も増える。
特にYahoo!ニュースに掲載された2月10日は『けものフレンズ語録を使ったプログラミング
言語が開発される』『各掲示板がけものフレンズに浸食』など計11媒体に掲載される。
「○○のフレンズなんだね!」というフレーズは作品中のセリフには一切ないが
一般ユーザーが同フレーズを使ってTweetしたことをきっかけに他ユーザーが発信するようになる。
ここまで一般的に拡がったのは該当Tweetを監督のたつき氏がいいねをしたことにより
けものフレンズファンの目にとまり、同フレーズが頻繁に使われるようになった。
全体の傾向としてアプリが終了した2016年はそれ程大きな反響がなかったが、
アニメが放送された2017年に大きな反響を得ている。
アニメの特徴として、最近の深夜帯アニメは制作が豪華なスタッフ・キャストが多いなか
本作品は一見チープな作りで声優も新人を起用したりと前評判は決して高くはなかったが
回を重ねるごとに作品の作りこまれた世界観や深い謎が少しずつ明らかになると、
ライトな層を含めた反響を大きく得ることになる。
また『けもの語録』といった誰でもSNSで使い易く、かつ引用がし易いフレーズで
マネをするユーザーが増えそこに深い考察が加わり、興味を持っていなかった層や
アニメ好き以外にまで話題が拡散。
親しみのあるキャラクターと雰囲気で肩の力を抜いて観ることができるアニメであると同時に
制作側の動物(けもの)やストーリーに対する作りこまれた設定や
現代社会へのアンチテーゼすら感じる世界観が今まで深夜アニメを見て目の肥えた
コアユーザーさえも魅了し大きな反響を呼ぶことになる。
現在ではアニメ2期が決定したり、再度ゲーム化が決定したりと話題が尽きない。
今後けものフレンズにおけるマーケティングの動きは着目していくべきだろう。