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「うんこ漢字ドリル」のヒットから紐解く現代マーケティング手法

 「うんこ漢字ドリル」という小学生向け漢字ドリルとして2017318日に発売され、
わずか1か月半で発行部数100万部を突破。(5月末時点では200万部超)
例文はすべて「うんこ」を用いた漢字ドリルとなっているこの教材。
ここまでのヒットを生んだ経緯、拡散要因をi-Catchから収集したデータを基に分析を行った。

まず、201731日から530日までのTweet推移をグラフ見てみると、
発売直後の19
日に一般の主婦の方のTweetが一気に拡散。
本来勉強とは相反すると思われていた「うんこ」を学習教材に組み合わせた意外性が
一般ユーザーに受け、投稿から瞬く間にRTされ認知が急激に上がった結果となった。

 TVWebニュースを掛け合わせて見てみると、Twitterでの反響を受け、その内容をWebNewsで取り上げられ
反響の大きさから後日TVで取り上げられている。
TVへの露出をする度に、Tweetが盛り上がりを見せていることが相関グラフから分かる。

TV番組ではじめに取り上げたのはNEWSZEROの1コーナー。
異例のヒットとして漢字ドリルを取り上げている。
その後、とくダネ!・めざましテレビと続き、ワイドショーや情報番組での露出がほとんどという結果に。(下図参照)
これが小学生を子に持つ親、つまり商品のターゲットとなる層と合致したことで
更なる認知拡大と発行部数増加の一因になっていると考えられる。

「うんこ漢字ドリル」の公式アカウント自体は大きな盛り上がりはなく、RTも少ないが
それぞれユーザーが独自にドリルについての話題を上げて盛り上がっている。

今日のコンテンツがヒットを生むために重要な事は、公式アカウントがPR・啓蒙をしていく
のではなく、ユーザーにいかに話題にしてもらえるかを考えることが最も効果的だといえる。
今回の話題の拡散はTweetWebNewsTVTweetの連鎖が起きている。
また、ターゲットとしている層が普段視聴しているTV番組へ露出をすることによって
結果的に効果的なPRができたことが発行部数を引き上げた要因の一つとして考えられる。
そして、販売開始のタイミングも新学期が始まる直前の3月中旬。
この時期は当然ながら新たな学年になり教材の購入を親が検討している時期。

総じて、「うんこ漢字ドリル」はカスタマージャーニーに沿ったマーケティングができており
意外性と話題にしやすいキャッチーなコンテンツを用いた成功例と言える。

 

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